ヒューズは電装部品を過大な電流から保護するためのものです。
ヒューズにはたくさん種類や形状があるため、初心者にはわかりづらいところもあります。
しかし、実際に大きな電気が流れると、部品を守るためヒューズが切れます。
切れたヒューズを交換しないことには、電装系やライトがつかなくなるんですよね。
そこで、今回は初心者でもわかりやすいように
ヒューズの種類や場所、ヒューズ切れの確認方法や交換について書いていきたいと思います。
この記事を読めば、電気系統のトラブルにも落ち着いて対応できるようになると思いますよ!
- ヒューズの役割や種類について
- ヒューズ切れの症状や原因
- ヒューズが切れた時の確認方法
- ヒューズの交換方法・注意点
ぜひ最後まで御覧ください。
車のヒューズとは
ヒューズの役割
ヒューズは電線の間に取り付けられてるもので、一定の電流(A:アンペア)が流れた時に溶ける性質を持つ金属片で作られてます。
電気配線に想定以上の高い電流が流れた際、ヒューズが切れることで、それ以上電気を流さないようにするもの。
ヒューズが切れることを「ヒューズが飛ぶ」とも言ったりしますね。
一般的なヒューズは、切れたら再利用は出来ません!
車の電装部品はバッテリーのプラス極からマイナス極に電気が流れる事で動きます。
そのため、ヒューズが切れると電気経路が遮断されるため、一切電気が流れない状態となるわけです。
もしヒューズが無い状態で過電流が流れると、電装部品の故障につながります。
部品が故障するだけならまだ良いですが、過電流が流れ続けると車の配線自体が熱を持ち、焼き切れてしまう可能性もあるのです。
ヒューズがないと、車両火災の危険もあるため、かなり重要部品と言えます。
ヒューズの種類
ヒューズにも上記のように3種類あります。
- 平型ヒューズ
- ミニ平型ヒューズ
- 低背型ヒューズ
車によって形状が異なるので、交換する際などは事前に形状を確認する必要がありますね。
最近の車では主にミニ平型や低背型の小型ヒューズが使われています。
ちなみに下部に出てる金属部分を電気配線の間に接続する事で電気を流すことが出来ます。
ヒューズの容量(流せる最大電流)はわかりやすいように色で区別されており、以下のような色分けになっています。
- 紫色:3A
- 橙色:5A
- 茶色:7.5A
- 赤色:10A
- 青色:15A
- 黄色:20A
- 透明:25A
- 緑色:30A
5A、7.5A、10A、15A、20Aのヒューズが主に使われてます。
ヒューズBOXの場所
ヒューズは基本的にヒューズBOXの中にあります。
ヒューズの形状と同じように、ヒューズBOXの場所も車種によって違いますが、大体同じようなところに配置されています。
- エンジンルーム奥側
- 助手席グローブボックス下
- 運転席足元右側
ヒューズBOXの位置は車の説明書にも書いてあるので、わからなければ確認するといいですね。
ヒューズBOXの中で各電気系統に別れており、ヘッドランプ・ルームランプ・ワイパー・エアバックのように個別にヒューズがあります。
ヒューズ切れの症状
車のヒューズが切れた時の主な症状を3つご紹介します。
ランプ系が点灯しない
まずわかりやすい症状として、ランプが点灯しなくなります。
ヘッドランプ、フォグランプ、テールランプなどが点灯しないと夜間走行時危険ですよね!
他にも車内のルームランプも点灯しなくなる等の症状もあります。
ちなみに僕は、よくルームランプ系統のヒューズを飛ばしていたので馴染み深いです・・・。
ルームランプ系統のヒューズは『DOME』という名称が多いです。
フォグランプをHID化したり、高出力のLEDに交換した場合もヒューズ切れを起こすことがありますよ!
電装品が作動しない
ヒューズが切れてしまうと、スライドドアが電動で動かなくなったり、ウォッシャー液が出なくなったりします。
これらの電装品の他にも
- エアコン
- サンルーフ
- ナビ
- ウィンドウ
- ワイパー
という感じで、すべての電装品はヒューズを介して動いてます。
エンジンがかからない
エンジンがかからない!!
これは致命的ですよね・・
しかし、現にヒューズ切れでエンジンがかからない。もしくは途中でエンストする事例もあります。
主にメインヒューズ(100Aなど大容量)や、エンジンを制御する電気系統のヒューズが切れるとエンジンがかからなくなります。
- メインヒューズ(100A程度)
- Fl(フューエルインジェクション)
- IG(イグニッション)
- ECU-IG(エンジンコントロールユニット)
- ENG
エンジンがかからない時は、上記のヒューズを確認するといいです。
ヒューズ切れの確認方法
ヒューズが切れたのを確認する方法は2つあります。
- ヒューズを見た目で確認
- テスターで導通確認
ヒューズを見た目で確認
ヒューズは過電流が流れると、溶断してしまいます。
上記のように導通部(電気が流れる部分)を細くすることで、一番早く切れるようになってるんですね。
ヒューズ切れを確認する際には、ヒューズを抜き、中央あたりで切れていないかを目視で確認することが可能です。
見た目で切れていればわかりやすいですが、黒く焦げたようになってる場合も切れてる可能性大!
ヒューズの抜き方については、このあと『ヒューズ交換方法』で解説しますね。
テスターで導通確認
目視でもヒューズ切れを判別できますが、検電テスターがあれば数値として確認できるため確実です。
テスターを『導通モード』にして、検電棒を両端に当てるだけでヒューズの抵抗値がわかります。
- 抵抗値『0Ω』→ヒューズは切れてない
- 抵抗値『∞もしくは1Ω以上』→ヒューズが切れてる、切れかけてる
上記のようなテスターで測定できますが、抵抗モードのまま電圧を測るとショートするので注意!!
LEDのDIY用のペン型テスターでは導通機能がないのでNGです・・。
ヒューズが切れる原因
ヒューズが切れてしまう原因は主に以下のとおりです。
- 配線がショート(短絡)している
- 電装品の不良
- 電装品の容量アップ
配線がショート(短絡)している
配線がショートする。というのは、プラスとマイナスの電線が触れることを意味します。
短絡とも言いますが、配線がショートするとMAX電流が瞬時に流れるため、一瞬でヒューズが切れてしまいます。
ヒューズが切れてしまう原因が、主に配線のショートだと思います。
- 配線の挟み込みにより被覆が破れてショート
- 配線の末端処理が甘く、素線が見えた状態になっている
- 配線作業時に誤ってボディ面に触れてしまう
僕もよく経験したのは、DIYで配線作業をしてたときに知らないうちに配線がボディに触れてしまってました・・。
なぜボディに触れてはダメなのか?
それは車はボディアース(車体の金属部がマイナス)になっているからです!
なので、プラスの電気を帯びた配線を車の鉄板部に当てるとヒューズが飛びます。
電装品の不良
続いて電装品の不良でヒューズが切れる件ですが、これも配線のショートと似た感じです。
電装品の内部で配線のショートが起こってると思ってもらえるとわかりますかね?
この場合、電装品と接続してる配線(コネクター)を外すとヒューズが切れなくなり、配線を接続するとヒューズが切れるパターンです。
電装品の容量アップ
以外とヒューズ切れの原因で多いのが、電装品の容量アップですね。
- ヘッドライト、フォグランプのHID化
- 高出力LEDライトへ交換
- オーディオアンプ追加
- ウーファー追加
- モニター類の追加
などなど、純正で決められたヒューズ容量よりも大きい消費電力の電装品を取り付けるとヒューズが飛びます!
ちなみに僕はフォグランプでよくヒューズを飛ばしていました・・。
車のヒューズの交換方法
次はヒューズの交換方法を解説していきます。
今回は見やすいようにエンジンルームのヒューズBOXを例とします。
交換手順は以下の通りです。
- エンジンを切りボンネットを開ける
- ヒューズBOXを開ける
- 動かない電装品ヒューズを確認
- ヒューズを抜いて点検
- 新品ヒューズを取り付ける
【手順①】エンジンを切りボンネットを開ける
まず、いきなり作業に入らず、必ずエンジンを切って下さい。
エンジンルーム内はファンやベルトが回転しており危険です。
エンジンを切ったら運転席右下の足元にあるボンネットを開くレバーを引きます。
車種によりますが、取手を引っ張るタイプや、
ボンネットの絵が書いてあるレバーを引くタイプが多いです。
ガソリンスタンドで給油口を開けるためにレバーを引きますよね?
それの近くにあるはずです。
レバーを操作したら『ボンッ』とボンネットが開く音がします。
ですがまだ半開き状態ですので無理に開かないで下さいね!
車の正面に立ち、少し開いたボンネットの隙間に手を入れて見て下さい。
中心か少し横にズレた所に、レバーみたいな感触があると思います。
そのレバーを上に押し上げながらか横に押さえながらボンネットを上に持ち上げると開く事が出来ます。
ボンネットがダンパータイプで勝手に開いていくようなものは大丈夫ですが、ボンネットから手を離したら落ちてくるものは専用の支え棒があるので確実にセットしましょう。
【手順②】ヒューズBOXを開ける
エンジンルームを見回すとバッテリーの近くに、表面に四角い枠と文字が書いてあるBOXがあるはずです。
それが『ヒューズBOX』になります。
ヒューズBOXを開くのには特に工具は必要ありません。
カバーは片側が引っ掛けになっており、もう片方の止まってる方を外せば開きます。
画像の矢印のように指でレバーを押さえつける感じで開きます。
【手順③】動かない電装品ヒューズを確認
ヒューズBOXを開けるとヒューズがたくさんあるはずです。
カバーに表記されてるのがヒューズBOX内のレイアウトで、何の系統のヒューズか一目見てわかるようになっています。
ヒューズ表面には『10A』と書いてありますね!
このヒューズを外して確認していきます。
【手順④】ヒューズを抜いて点検
素手でヒューズを外そうと思っても多分無理です・・
狭いスキマにしっかりと入ってるので指も入りません。
ヒューズを抜く際は、小さなペンチ(ラジオペンチ)や専用のヒューズ脱着工具の『ヒューズプラー』を使って外して下さい。
ヒューズプラーとはピンセットのようにヒューズを挟み込む工具で、元々ヒューズBOXに備え付けられてる場合が多いですが、無い車もあります。
僕の車にはなかったのですが、車の取扱説明書には載ってたので紹介します。
以前の車ではヒューズプラーを使ってましたが、さすが専用というべきでしょうか。
使い勝手が全然違います!
ヒューズを抜いたら、切れているかの点検をします。
ヒューズを横向きにして細くなってる部分が、溶けて無くなってるようなら交換が必要です。
一気に過電流が流れると焼け焦げたように黒くなり、確認できない場合もありますが、そんな状態なら間違いなく切れてるので交換しましょう!
【手順⑤】新品ヒューズを取り付ける
おそらく、ヒューズBOXの隅っこの方にスペアのヒューズがあるので
同じ電流のヒューズを外して、切れたヒューズが挿さってた箇所に取り付けましょう。
ヒューズを取り付ける際には、特に工具は必要ありません。
そのまま素手で押し込むだけでOKです。
しっかり奥まで押し込みましょう!
以上でヒューズの交換は完了です。
エンジンをかけ、電装部品が動けばOKです。
動作が確認できたら逆の手順で、ヒューズBOXカバーやボンネットを締めましょう。
ヒューズ交換時の注意ポイント
ヒューズの形状を間違えない
ヒューズには『平型』 『ミニ平型』『低背』の3種類あると言いました。
平型ヒューズは明らかに大きいので良いですが、ミニ平型と低背ヒューズは幅が同じくらいなのです。
純正で低背ヒューズのものにミニ平型ヒューズの導通部分が入ってしまう。なんて事もあり得ます。(試したことはありませんが)
なので、必ず取り外したヒューズと同じ形状のものを取り付けるようにして下さい。
同じ容量(A)のヒューズを取り付ける
純正で決められた容量のヒューズが取り付けられており、異常時に電気部品や配線を守るためにも、容量が大きいものに交換してはいけません。
もし、電装部品を交換してヒューズが切れるようになったなら、消費電流が高い可能性があります。
その場合、お店などで相談するか、部品の説明欄などに『消費電流〇〇A』と書いてあるので、自分でその容量にあったヒューズに交換するかですね。
ヒューズはカー用品店などで、数個入って300円程度で購入出来ます。
緊急用として、セット品を購入しておけば、いざという時に焦らずに済みます。
僕もよく電装系をいじってた頃は、たくさんの予備ヒューズを車に常備してました。
ヒューズは確実に奥まで差し込む
ヒューズを取り付ける際は、しっかりと奥まで確実に差し込む必要があります。
結構力を入れないと入らないので、中途半端な差し込みになってしまうこともありますが、走行中の振動等で抜けてきたり接触不良になる可能性もあります。
なので、取り付け後は他のヒューズと見比べて押し込みが弱く、少し浮いていないか確認すると良いですね!
まとめ
ヒューズの役割やヒューズ切れの原因や確認方法、交換方法について解説してきました。
ヒューズは重要な部品ではありますが、きちんと形状を確認して確実に作業すれば自分で確認から交換作業までできると思います。
もし、ヒューズが切れてしまった時、すぐに対応できるように予備を車に常備しておくことも大切ですね!
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