ホイールは1本あたり4〜5本のナットで固定します。
このナットにかける力を『トルク』っていうんですが、正しいトルクの値は知ってるでしょうか?
今回は車の安全で欠かせない、ホイールナットの締め付けトルクについて書いていこうと思います!
車のメンテナンスをマメにする人は、トルクの管理がしっかりしてるイメージがあります。
ですが、逆に馴染みのない人、緊急時くらいしかタイヤの脱着をしない人は「トルクって何よ?」みたいな感じでしょうね。笑
ナットを締める時のトルクは低くても高くてもダメなんですよ。
知らない人は軽視しがちですが、これは本当に重要な事です。
トルク管理ミスで、最悪命に関わる大事故になる場合だってありますからね。
ナットの適正な締め付けトルクは?
ホイールナットの締め付けトルクは車種ごとに違います!
大まかに分けると、ナットにかけるトルクは以下の通りです。
- 普通乗用車:90~120N・m(9~12kgf・m)
- 軽自動車:70~90N・m(7~9kgf・m)
結構トルクにバラツキがありますね。笑
ホイールのナット固定が4穴なのか5穴かでも違ってくるでしょうし、純正採用のタイヤサイズでも変わってくるので当然といえば当然でしょうか。
読み方にも2通りありますが、最近のトルクレンチに表記してある『N・m(ニュートンメートル)』で話を進めます。
ひと昔前は『kgf・m』の単位が主流だったようですが、僕自身あまり馴染みがありません。笑
トルクの定義みたいなものがあって『1メートルのレンチの先に10キロの重みを乗せた重さ』
これが『10kgf・m』で、約100N・mとされています。
なので例えトルクレンチが無くても、1メートルの棒と10キロの重りがあればトルク管理可能!ってわけです!
まぁそれをわざわざ準備するくらいなら、3000円でトルクレンチ買おうよ。ってなるんですけどね。笑
また、車種ごとの適正な締め付けトルクは、説明書に載ってます。
わからなければディーラーに電話すれば、調べてすぐ答えてくれるでしょう。
実際に、友達のヴェルファイアの説明書を確認すると、「108N・m」と記載されていました。
やっぱり大型車の方が必然的にトルクも高いイメージですね〜。
レクサスのLSなんかはもっと強いトルクで「120N・m」とかって聞いた事があります。(真実はわかりません(*´-`))
自分の車の正確な規定トルクが知りたい場合は、説明書を確認するのが一番ですね^ ^
ちなみに乗用車で最も多い規定トルクは『103N・m』みたいですよ!
トルクはどのくらいあれば問題ない?
「車ごとに締め付けトルクを確認するのは面倒だ!」
そう思う人もいるんじゃないでしょうか。
僕も少し前までは乗ってる車の適正トルクなんて知りませんでしたから。笑
でも、ある一定のトルクを満たしていれば、よっぽど問題ない!という事を先輩なりから聞いてました。
『100〜105N・mのトルクで大丈夫!』
というのが、正直な僕の意見です。
以前乗ってたスープラやセルシオなどのパワーがある車も、一律してトルクは100N・mで管理していました。
それでも何も問題はなかったわけです。
セルシオなんかは今で言うレクサスLSクラス。
なので、もう少し高いトルクが適正だと思うのですが・・笑
長い時では1年くらいタイヤ脱着してませんでしたが、それでも緩みなどの不具合は出ませんでした!
これはあくまで個人的な見解なので、参考までに( ̄▽ ̄)
トルク100N・mは結構な力
100N・mのトルクは結構な力がかかってます。
しかもナットは4〜5つあるわけですからね〜。
110N・m規定くらいの車に100N・mで締め付けるのは心配になるかもしれませんが、思いのほか強く固定されてるんですよ(^^)
実際に締め付けた時よりも、タイヤ交換で緩める時の方が力を使った!という経験があります。
僕も一度は心配になって、110N・mくらいでトルク管理してたんですが、緩める時が一苦労・・・
クロスレンチ(十字レンチ)を使っても全然緩まない!腰を入れ体重をかけてようやく緩むレベル。みたいなね。笑
トルクをかける時はググ〜っと体重を乗せただけなんですけどねぇ〜(*´ω`*)
軽自動車のトルクは?
「軽自動車に100N・mはトルクオーバーじゃないの?」
確かにトルクのかけ過ぎもよくありませんね。
でも、それは車のパワーや重量における基準であって、ボルトやナットの限界値はどの車も同じくらいあります!
要するに軽自動車のホイールも、100〜120N・mのトルクで締め付ける分には問題ありません^ ^
低めのトルクで「緩んだらどうしよう・・」というモヤモヤするくらいなら、乗用車同様に100N・mで締めちゃえば解決ですよね。笑
ホイールナットの締め付けトルクが足りてないと・・・
逆に締め付けトルクが低すぎたらどうなるでしょうか?
想像の通り、走行中に緩んでくる可能性があります!
考えただけで怖いですよね・・・
よくある話。ではないですけど、ホイールナットを仮止めの状態で走行してしまったことがあります。
その時はふと「あれ?トルク締めしたっけ?」と心配になり、増し締めしたので助かりました(TT)
知り合いの後輩はトルク不足だったのか、締め付け方が悪かったのか、走行中にナットが外れたことがあります!
当然タイヤも外れました。車が壊れただけで済んだので良かったですが、一歩間違えるとヤバイですよね。
外れたタイヤは、確か右後ろだったと思いますが、足回りがぐちゃぐちゃで修理費用が50〜60万円くらいだったそう・・・
なので、ホイールナットのトルク管理と、増し締めのチェックは絶対に必要ですね!
力いっぱいに締めるのもNG!
はたまた思いっきりの馬鹿力でナットを締め付けるのも良くないです!
理由はナットのネジ山がつぶれたり、固定ボルト(ハブボルト)が折れる可能性があるから。
ナットやボルトは金属だから大丈夫!と思う人も多いですが間違いです。
金属は簡単に割れたりはしませんが、限界はあります。
ハブボルトで例えると、ナットを過剰なトルクで締め過ぎるとボルトが伸びます。
目ではわからないレベルですが、こうなったら元に戻りません。
こうして金属の疲労が限界に達すると、ヒビが入りボルトが折れる。というわけですね〜
ボルトが折れなかった場合は、ギザギザしてるネジ山が削れたりして割れます。
どちらの結末も、ホイールを固定できなくなる恐れがありますよね。
なので、ホイールナットに限らず、『緩すぎず、締め付け過ぎず』が大事です(^o^)
特に注意したいのが、アルミナットですね!
アルミナットはカラーが豊富で軽量なのでドレスアップで多く着用されてます。
ですが、裏を返せば締め付け過ぎるとアルミナットのネジ山が駄目になってしまうんですね。
金属とアルミは圧倒的に金属の強度が上ですから・・・
職場の後輩もハチロクにアルミナットを装着してました。
トルクを強めに掛けてたのか、アルミナットを装着してから初めての脱着の時に、ネジ山が潰れて無くなってしまったそうです。
ハブボルトにアルミ材が残ると除去するのも厄介なので、かなり大変だったと言ってましたね〜。
アルミナットを使用するときには、安価品はやめて、しっかりトルク管理したいですね!
最後に
ホイールナットの締め付けトルクに関して書いてきました。
車を支えて走るタイヤだけに、ナットの締め付けは確実にやりたい部分ですよね!
緩すぎるのは駄目だというのは普通ですが、逆に締め付け過ぎもいけないよって事がわかってもらえたと思います。
どんな車もよっぽど『100〜105N・m』で締め付ければOKです!
確実なのは、説明書で車ごとのトルクを確認することですけど。笑
また、車を安全に運転するためにも、トルクレンチを使用してのトルク管理がおすすめです!
車載レンチでも規定トルクに限りなく近づけることは可能ですが、やはり工具には叶いませんからね。
以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました(^^)
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